RISK
矯正治療における注意点・リスク
矯正治療は多くのメリットがある一方で、治療を受ける際にはいくつかのリスクや副作用を伴うことがあります。
以下は、日本矯正歯科学会の指針に基づいた、一般的な注意事項です。
- 01
歯の痛み・違和感・体調の変化
歯を動かす過程で、痛みや違和感を感じることがあります。まれに頭痛や発熱を伴う場合もありますが、通常は3日~1週間程度で落ち着きます。
- 02
口内炎や粘膜の傷
矯正装置が唇や舌、頬の内側に当たって擦れることで、口内炎ができたり、粘膜に傷がつくことがあります。
- 03
虫歯や歯周病のリスク
装置により歯磨きがしづらくなり、磨き残しが増える傾向があります。虫歯・歯肉炎・歯周病のリスクが高まるため、適切なセルフケアと定期的なメンテナンスが必要です。
- 04
治療への協力状況による影響
顎間ゴムの装着やMFT(口腔筋機能療法)など、歯科医師からの指導内容に十分ご協力いただけない場合、治療の進行が遅れたり、理想的な結果が得られないことがあります。また、頬杖や片側噛みなどの悪習癖も、治療の妨げになる可能性があります。
- 05
噛み合わせの変化や一時的な歯列の乱れ
治療中は歯並びや咬み合わせが変化する過程で、一時的に違和感を覚えたり、歯列が乱れて見えることがあります。
- 06
歯根吸収・神経の変化
歯を動かす過程で、歯根が短くなる「歯根吸収」や、神経が影響を受けて歯の変色が起こることがあります。軽度な変色であれば、矯正治療後にホワイトニングで改善できる場合があります。
- 07
ブラックトライアングル・歯肉退縮
歯の移動により、歯と歯の間に三角形の隙間(ブラックトライアングル)が生じたり、歯ぐきが下がる(歯肉退縮)ことがあります。必要に応じて、歯の形態修正などで対応する場合があります。
- 08
歯の形や咬み合わせの調整
治療過程で、歯の大きさや形、咬み合わせの調整が必要になることがあります。
- 09
歯が動かないケース
歯の根が曲がっていたり、歯と骨が癒着している場合、歯が動きにくいことがあります。小帯や骨隆起が原因となる場合は、外科的処置が必要になることもあります。
- 10
装置の脱離・誤飲のリスク
接着型の矯正装置が外れることがあります。まれに誤って飲み込む場合もありますが、ほとんどのケースでは、自然に体外へ排出されます。
- 11
治療期間の変動
歯の動きや症例の難易度、使用する装置などによって、当初の治療計画より治療期間が前後することがあります。
- 01
- 12
金属アレルギー
矯正治療中に金属アレルギーの症状が出ることがあります。事前にアレルギーの有無をお知らせください。
- 13
装置除去時の歯の損傷
装置を外す際に、ごくまれに歯に小さな亀裂や傷がつくことがあります。
- 14
保定装置の不使用による後戻り
治療後に保定装置(リテーナー)を装着しない、または指示通りに使用しない場合、歯並びが後戻りすることがあります。
- 15
被せ物の再治療
矯正治療の前後で、被せ物や詰め物の再調整が必要になる場合があります。特にマウスピース矯正では、途中で形態が変わると装置が合わなくなることがあるため、事前の確認と対応が重要です。
- 16
成長や加齢による歯列の変化
矯正治療終了後も、あごの成長、加齢、親知らずの影響、歯周病などにより、歯並びが再び変化する可能性があります。その場合は、再治療が必要となることもあります。
これらのリスクについて十分にご理解いただいたうえで、治療を進めてまいります。
ご不安な点や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。